【知覚過敏症】
知覚過敏症がわかる動画
知覚過敏症の説明動画
こちらの動画をご覧いただければ知覚過敏症についてご理解いただけます。知覚過敏症とは
象牙質の露出が原因です。
エナメル質の内層にある象牙質が虫歯以外の原因により外部に露出し、温度刺激を過度に感じてしまう症状です。象牙質が露出する原因とは
@食いしばりの力によるクサビ状欠損A歯周病から歯根露出
B歯ブラシが強すぎて歯根露出
C歯の磨耗(すり減り)
D酸蝕(酸による歯の溶解)
象牙質は温度センサー
表層のエナメル質は温度刺激から歯を守るため温度を感じませんが、象牙質は温度を感知する構造になっているため露出をすると温度刺激を感じてしまいます。長年刺激が続くと感じにくくなってくる仕組みがあるのですが、個人差がありすぐに感じなくなるわけではありません。正式には象牙質知覚過敏症といいます
知覚過敏と一般的には言われますが、正式には象牙質知覚過敏症といいます。@クサビ状欠損とは
V字型に削れる症状
歯の外側が、写真のようにV字(クサビ状)に削れてしまっていることが原因で象牙質が露出し冷たいものがしみる症状のことです。原因は咬合圧による応力
咬合圧は歯頚部と呼ばれる歯の横の部分に強い応力(内力)をもたらす傾向があります。そのため何十年という持続的な咬合力によって歯頚部の歯質だけが選択的に欠けてしまう現象が起こります。加齢現象の一つ
歯がはえたての20代の若年層にはクサビ状欠損はあまり認められませんが、高齢者になってくると深くはっきりとしてたクサビ状欠損が認められるケースが多くなってきます。パーソナルな問題です
咬合力も歯軋りの頻度も、歯の形も個人差があります。そのため人によって深くクサビ状欠損が見られる場合もあれば、あまり認められない場合もあります。歯ブラシのしすぎが主な原因ではありません。
Millerが提唱した歯ブラシ原因説が長いこと信じられてきたこともありクサビ状欠損は歯ブラシのかけすぎなんて言われてきました。ところがGraehnらによって動物の歯にもクサビ状欠損があることが報告され、小寺らや田中らによって歯ブラシ習慣がなかった時代の人類からもクサビ状欠損があることが報告されてから歯ブラシ説はクサビ状欠損の主な理由として考えられなくなりました。(出典元はこちら)クサビ状欠損の治療法
深いクサビ状欠損が認められます
クサビ状欠損が認められるからといって、必ず冷たいものがしみるわけではないのですが、しみる方は治療が必要です。治療終了です。
クサビ状欠損は複数本ある場合が多いです。当院ではなるべく1回の通院で終われるように、複数本同時に行います。患者様が疲れてしまう場合には2回に分ける場合もございます。しかし咬合圧がこれ以降もかかるわけですから、数年後には再治療が必要になる場合もあります。
A歯周病から歯根露出した場合
歯周病が原因のタイプ
歯周病により歯肉が退縮して歯根が露出することが原因で知覚過敏になることがあります。しみるのは歯根の部分
エナメル質は冷たいもの、熱いものはしみません。しみるのは歯根の部分です。歯周病になり歯肉が下がって(退縮して)しまうと歯根が外に露出してしまいます。するとしみるようになるわけです。部位の特定が難しいことがあります
このタイプは1本だけに起こることよりも多数歯に及ぶことが多いです。しかも歯根露出していても知覚過敏が発症する歯としない歯があるので厄介です。エアーかけながら患者様に症状の「ある」「ない」をお伺いする方法ですので部位の特定が難しいことがあるわけです。初期の場合は特に特定が難しい
「なんとなく右側で冷たいものがしみる・・しみないこともあるが、しみるようになることもある・・・右の上か下かはハッキリしませんが。」と患者様。レントゲンや視診により虫歯は確認できないし、クサビ状欠損もない。このタイプの特に初期症状の場合はこのような主訴であることが多いです。初期段階の治療法
初期の歯根露出に有効なのは、コーティング剤です。患部にコーティング剤を塗布して、光で硬化させます。レーザーを使用する先生もいらっしゃいます。シュミテクトなどの知覚過敏専用の歯磨き粉でも同様の効果があります。症状が強い場合の治療法
症状が強い場合には、これでは治らない場合もあります。その場合はレジンでカバーをします。B歯ブラシ圧が強すぎて歯肉退縮
歯ブラシの機械的刺激が原因
歯ブラシ圧が強く特定の部位(1本から2本)の歯肉が退縮してしまうことがあります。初期段階ならば歯ブラシ圧の改善で治りますが、進行してしまうと歯肉移植手術が必要になる場合もあります。C歯の磨耗
歯は長年使うため徐々にすり減ります
歯は数十年使うために、表面のエナメル質は徐々にすり減ってしまいます。エナメル質自体は2mm程度しかなく、すり減ってしまえば内層の象牙質が露出します。象牙質は温度を感じますので、冷たいものがしみるようになります。加齢現象の1つです
20代ではほぼ見られませんが、高齢者になってくるほど摩耗の度合いが強くなる傾向があります。摩耗症の全てがしみるわけではありません
摩耗症は数十年かけてゆっくり進みます。象牙質にはしみないようにする機能があるので、それがうまく働いてくれる場合には摩耗症があっても日常生活に問題ありません。しかし、冷たいものがしみて仕方がない場合には治療が必要です。治療法
レジン治療かクラウン治療それらと併用するのがマウスピース療法
D酸蝕症(さんしょくしょう)
趣向品、炭酸などが原因です。
@炭酸飲料によってエナメル質が溶けてしまったA繰り返しの嘔吐による胃酸などが考えられます。