横浜市戸塚区の内藤歯科です。このページは親知らずの抜歯の質問とその答えをまとめました。

医療法人社団横浜歯友会 戸塚駅前 内藤歯科

【親知らずQ&A】

Q1.親知らずは必ず抜かなくてはいけないの?

A.そんなことはありません。

親知らずが4本あっても、下顎の親知らずが横向きにはえていても、必ずしも抜く必要はありません。条件がそろえば、横向きの親知らずも一生埋まったままで、全く害はない、なんて方も結構いらっしゃいます。
「体力のある若いうちに抜いておいた方がいいよ。」なんて聞いたことがあるかもしれませんが、抜く理由がない限りそのままでいいです。虫歯になりそうな場合は歯医者さんに抜くことをすすめられるかもしれませんし、別の歯医者さんからはまだ大丈夫って言われるかもしれません。
親知らずの抜歯をすすめるラインは歯医者さんによっても意見が異なるところなので、どの先生が正しいってこともないかと思うのですが、かかりつけの先生のすすめにあなたが納得いって抜歯をする覚悟ができるのであれば抜いていいかと思います。

Q2.親知らず抜歯が必要な場合とは?

A.@智歯周囲炎

智歯(ちし)周囲炎とは親知らず周りの歯肉が腫れる症状のことです。歯肉が腫れて膿が出たり、症状が進めば、発熱、口が開きにくいなど、食事もままならなくなります。親知らずを抜歯する理由で最も多いのがこの智歯周囲炎です。智歯周囲炎についてはこちら

A.A7番を虫歯にしてしまうから抜く。

7番と親知らずの間は虫歯がよく発生します。虫歯が発生してしまってから抜歯する場合もあれば、できれば虫歯が発生するリスクが高そうなら、予防的に抜いておくのも賢明かと思います。7番の虫歯についてはこちら

A.B歯科矯正のために抜く

歯科矯正を行う方は、矯正の先生に親知らず抜歯をすすめられる場合があります。理由は親知らずが前の歯を押して歯並びを見出してしまう可能性があるからです。

Q3.智歯(ちし)周囲炎とはなんですか?

  • 智歯周囲炎1
  • 智歯周囲炎2

A.親知らず周りの歯肉の炎症のことです。

左図のように7番とふぞろいの親知らずとの間に、清掃が難しいスペースが空いてしまい、食べ物や口腔内細菌が入ってしまうことにより歯肉が腫れる症状のことです。上より下の親知らずに見られることが多く、親知らず放出時期である10代から20代と若い方に多く見られます。
また、右図のように上の親知らずが下の歯肉を噛んでしまって発症する場合もあります。

体調が悪くなると再発することが多い。

智歯周囲炎が一度おさまっても、再発を繰り返す傾向があります。体調が悪くなり免疫力が下がると、症状が出やすくなります。普段元気な時は、多少歯肉に細菌がいても免疫の力で抑えていたものが、風邪などで免疫が下がると歯肉が腫れたり痛んだりします。

段階的に悪くなる傾向があります。

歯肉の腫れという症状から始まり、触ると痛い、押すと膿が出るという症状が現れ、次に口が開きにくくなり、他人が見て顔の腫れがわかるようになります。発熱や倦怠感を伴うこともあり、口が開きにくく、食欲が落ちます。

頬部蜂窩織炎(きょうぶほうかしきえん)

さらに我慢してしまうと、炎症は顎の下から首のほうまで進行して膿が溜まってしまいます。こうなると水を飲むことすら難しくなります。

治療法

はじめは抗生物質の投与と患部の洗浄で様子を見るのですが、再発を繰り返す場合には親知らずの抜歯が最善策となります。親知らずを抜く理由の第一位はこの智歯周囲炎です。
親知らずの抜歯についてはこちら

Q4.7番を虫歯にするって本当ですか?

A.本当です。

親知らずと7番との間に磨きにくいスペースがある場合は親知らずが虫歯になってしまう場合もあれば、7番の後ろの方が虫歯になる場合もあります。親知らずの慢性虫歯であれば、しばらく放っておいてもさほどの問題はないのですが、7番を虫歯にしてしまうのは問題です。歯医者さんで7番の虫歯リスクが高いと判断されたら、予防的に抜いてしまうのも良いかと思います。

Q5.麻酔はするの?全身麻酔は?

A.部分麻酔をします。

部分麻酔には浸潤(しんじゅん)麻酔といって、歯の横に打つ通常の麻酔と、伝達(でんたつ)麻酔といって下歯槽神経の根元に打つ麻酔の2種類があります。
当院で、下の親知らずなら伝達麻酔を、上の親知らずなら浸潤麻酔をします。伝達麻酔は効果が強いので、抜歯中に痛みは感じにくいと思います。
ただし、智歯周囲炎の腫れが強い場合には麻酔が効きにくいこともあります。

全身麻酔について

当院では全身麻酔や静脈内鎮静法は行っておりません。全身麻酔もリスクはありますので、皆さん全員におすすめはしませんが、恐怖心が強い方や嘔吐反射の強い方は全身麻酔が良いかと思いますので、その場合は大きな病院を紹介しています。全身麻酔の詳細はこちら

Q6.抜いた後はすごい痛い?腫れる?熱は出る?

A.7割の方は、抜歯後当日は痛かった。5割の方は3日間は痛かった。3割の方は腫れた。熱が出るのは数%。

(以上の割合は当院調べです。)
下顎の埋伏親知らずの抜歯は痛みの程度が強い場合が多いです。腫れは4〜7日くらい続きます。しかし、こうした急性症状は必ず治りますのでご安心ください。
親知らず抜歯感想はこちら

Q7.下の親知らずはなぜ曲がって生えてくるの?

  • 原始人
  • 江戸時代
  • 現代人

A.人の顎が小さくなってきたからです。

数千年前の旧石器時代の食べ物は非常に硬く、咀嚼回数が多かったために顎の筋力が発達しており、顎骨は頑強な作りでした。歯も8番まで必要で、噛めないということは生存に直結する大問題でした。ですから、当時の人は8番まできれいに並んでおり生きていくのに必要な歯だったわけです。

調理法の発達が顎を小さくした。

しかし、食文化の変化や調理法の発達により、食事はあまり咀嚼回数の必要のない柔らかいものに変化していきました。すると咀嚼に必要な筋力は衰え、顎骨も小さくなっていきました。8番が真っ直ぐ生える場所がなくなったため、曲がって生えることが多くなってしまったのです。真っ直ぐ生えている親知らずを持っている人は鎌倉時代では4割、現代人では2割程度と時代とともに少なくなっています。8番自体の退化傾向も顕著で、現代人の4人に1人は親知らず自体がないと言われています。

将来は8番はなくなり、人間の顔はどんどん細くなっていく

現代食は柔らかさがさらに進んでおり、あまり噛む力を必要としなくなってきました。これにより8番の退化傾向は強まり、人間の顔はどんどん細くなっていくと予想されています。8番がなくなれば、親知らず問題はなくなるわけですが、今度は7番問題がでて来るかもしれませんね。

Q8.抜歯にかかる時間は?

A.上の真っ直ぐなら1分。下の真っ直ぐなら5〜10分、下顎の横向きなら15〜30分。

麻酔が効いて抜歯に取りかかってからの治療時間です。術者の熟練度により、また患者様の開口量や親知らずの状態によって大きな幅はあります。(上記の時間はあくまでも目安です。)
下の横向きの親知らずは診察室に入ってから出て来るまでは1時間くらいかかると思っておいてください。下の横向き親知らず抜歯術式はこちら

Q9.縫合をするの?溶ける糸なの?

A.縫合をするかはケースバイケース。糸は溶けません。

上の真っ直ぐはあまり縫合をしません。下の真っ直ぐはケースバイケースです。下の横向きは縫合します。
口腔内は唾液という水分がありますので、溶ける糸は使えません。そのため2〜3週間後に抜糸に行く必要があります。
しかし、抜糸の前に糸が緩んだり、取れてしまったりということはよくあります。多くは問題ないのですが、心配でしたら先生に診てもらいましょう。

Q10.スポンゼルってなに?そのうち取るの?

A.スポンジ状のコラーゲンです。

抜歯をしてあいた穴に入れます。入れる先生もいれば、入れない先生もいて私は入れる派です。スポンゼル以外にもいろいろな材料があります。
このコラーゲンの塊が血を吸ってゼリー状になり、傷口に血餅(ケッペイ)という蓋を早期に良好な状態で作ってしてくれるということを期待して使用しています。
歯肉は1ヶ月もあれば新しい歯肉に置き換わるのでスポンゼルがずっと体の中に残ってしまう心配はありません。

親知らず

Q11.麻痺が出ることもあるって本当?

A.本当です。

下顎の埋伏歯の抜歯の際、下歯槽神経を傷つけて唇や顎に痺れが残ることが0.5〜数%あります。痺れると抜いた側の下唇あたりの皮膚を指で触っても感じにくくなってしまいます。通常半年、一年くらいで痺れの範囲は小さくなっていき、日常生活にさほど問題のない程度に落ち着くことが多いです。親知らずの歯根が下歯槽神経に近いほど麻痺のリスクはありますので、親知らずの頭だけ取ってしまうという方法もあります。

Q12.鼻血が出ることがあるって本当?

A.本当です。

上の親知らずを抜いた場合、鼻の横にある上顎洞という空洞と抜歯窩が繋がってしまうことがあります。通常は縫合して傷口が治癒すればふさがってしまいますので過剰に心配する必要はありません。
しかし、傷口が治るまでに鼻を強くかんだりすると、繋がってしまうことも考えられます。逆に鼻血が出る可能性もあります。
上の親知らず(6番や7番も)を抜いて鼻血が出たら、ガーゼを噛んで、ティッシュで鼻栓をして歯医者さんに連絡しましょう。くれぐれも鼻を強くかんで血を出そうなんて思わないでください。

Q13.抜くと小顔になる?

A.なりません。

小顔を決定づけるのは下顎角周囲の骨の大きさと頬骨の出具合です。位置的に親知らずはほぼ無関係ですので、抜いて小顔になることはありません。

下顎角

Q14.治療費はいくらですか?

A.簡単なもので2000円くらい。難しいもので6000円くらい。

3割負担の保険の場合。入院しない場合。局部麻酔の場合。自費治療で行っている診療所は別です。

Q15.7番にインプラントを入れるときは抜いたほうがいい?

A.ケースバイケースです。

抜歯したほうがいい場合もあれば、抜歯をする必要がない場合もあります。将来的に親知らずがインプラントに影響を与えそうなら抜歯をおすすめしますし、数年は影響なさそうならそのままにしておきます。これは直接見て判断させてください。

Q16.どうして私のおすすめに出てきたの?

A.若い方は親知らずで悩んでいる方が多いからです。

この質問は当院のyoutubeチャンネルのコメント欄によくいただくものです。皆様のコメントを読んでいて意外な角度からの質問だなぁと思いました。しかし、考えてみれば10代、20代の方の多くの方は親知らずがあるし、半分以上の方が横向きの親知らずをお持ちです。ですから、YouTubeが若いあなたの親知らずの悩みを知っていたのではなく、若い人に親知らず動画をおすすめすれば多くの人が当てはまる、と推測されます。

Q17.動画で器具が後ろから出てきていますが、実際にこんなわけないじゃないですか?

A.一般の方が理解しやすいことを意図として製作した動画です。

youtubeの親知らず抜歯の動画のコメント欄にいただいたご質問です。
実際の下顎埋伏親知らずの抜歯は、動画の作業をコップの底で行う感じになります。術野が見えるのはおそらく歯科医師のみ。アシスタントもしっかりとは見えないでしょう。カメラすら入る余地はほとんどありません。撮影中、カメラと同じ方向から入る、手や器具でピントも合わないでしょう。本番の方向からの撮影は、一般の方への説明には向きません。そこで私なりに工夫をして見えやすいことを第一に動画を製作しました。そのため横や後ろから器具が出てきます。
以上のような製作意図の本質的なところをご理解いただいて、細かいところは目をつぶっていただき、ご覧いただくとありがたいです。

Q18.先生はこんな抜歯を自分がやられたらどう思うのですか?

A.理解しているつもりです。

youtubeのコメント欄に寄せられた質問です。こんな怖い手術を受ける身にもなってみろってことですね。
しかし、歯学部の学生は一番大変かもしれません。それは実習で学生同士、親知らずを抜き合うからです。もちろん隣には歯医者の先生が付いていますが、基本手を出さず放置されます。私は下顎の水平埋伏でしたので、片方2時間以上かかりました。術中大変だったのが、途中局所麻酔が切れ何回も追加したので、動悸がしたのを覚えています。歯の頭を落とすのは慣れないと難しいので、これに非常に時間がかかりました。ようやく抜き終わった時には歯の原型がなくなっていました。抜歯後の痛みはそう感じませんでしたが、5日間は片側の顎がパンパンに腫れました。そのため皆様の気持ちは理解しているつもりです。

Q19.個別の治療相談はなぜ答えてくれないの?

A.直接診ないと診断をして治療方針を立てることができないからです。

youtubeのコメント欄からの治療相談をして来る方がいらっしゃるのですが、私は個別の治療相談には答えないようにしています。歯医者が口腔内の診断を下した場合、一般の方と違い責任が伴います。また、診断が同じであっても歯医者によって治療方針が違う場合もあります。内藤が治療方針をコメントした場合、かかりつけの先生と同じならいいのですが、違う場合はかかりつけの先生にも患者さんにも不利益を与えてしまうことになります。
質問は動画にあるような、一般的な流れの質問だけに限らせてもらい、個別の診断に関わる部分についてはお答えしない方針です。
どうしてもという場合は、内藤歯科へいらっしゃってください。

Q20.歯の模型はどこで購入できるのか?

A.日本の歯科模型・材料の株式会社ニッシンで購入しています。

すごいリアルな模型だという感想多いです。残念ながら歯科医療従事者でなければ、購入できません。
株式会社ニッシンのHPはこちら

親知らず説明のメニュー

内藤歯科のYouTube動画もご覧ください

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